小川忠太郎範師 剣道講話

小川忠太郎範師

剣道講話

 

剣道の理念

 

湯野正憲先生

命ありけり 後振り返りもせず この門 ただ向こうを向いて 行くばかりなり。

 

柳生流の秘歌

キリムスブ カタナノシタゾジゴクナレ タダキリコメヨ シンメウノケン。

 

禅語

盧山は煙雨江は潮 未だ到らざれば千般恨消えず 到り得帰り来って別事無し 

盧山は煙雨江は潮。

 

一息無限

自己の身心これ本体。 真実の自己が本体。

 

日本刀

剣の精神 やり直しの出来ない人生に直結。

刀の切り合いではなく、剣の精神。

武術は、命のやりとり。

 

人間性に立脚

誠を尽くして常に自己の修養に努める。

 

理法 

指導理念

刀法・身法・心法

刀法は正解な打突  身法は適正なる姿勢  心法は充実した気勢。

 

刀法と身法の体得

正しい切り返し  かかり稽古  打込み三年  警視庁の基本。

 

心法

十牛図

 

第一 尋牛

 真実の自己を尋ねる。 

白隠禅師 従来不失何用追尋。

柳生厳長 正伝新陰流

笹森順造 一刀流極意

三摩之位  習・工・練   習う 考える 稽古する。

師匠 宇宙の心理を体得した人。

求道心。

 

第二 見跡

理論的に解釈。

剣道 万刀一刀に帰す。

 

第三 見牛

剣道の手段は修練。

一心

三昧無礙。

決死の覚悟で捨身になる。

山梨平四郎の悟り

山岡鉄舟  立切 頓悟 三角矩(目・剣先・)  臍眼 呼吸は踵息

心身一如  成仏一念

 

第四 得牛

悟後の修行

得心荒

頑空は、囚われ

 

第五 牧牛

綿密に修行

に、懸待一致

自己の本心を掴む

古流の形から真理を学ぶ

道力 古力

第六 騎牛帰家

第三、四、五は、己に勝つ。反芻

平常心

春百花有り 秋月有り  夏涼風有り 冬雪有り。 若し閑事の心頭に挂くる無くんば、便ち是人間の好時節。

晴れてよし 曇りてもよし 富士の山 もとの姿はかわらざりけり

順境結構 逆境結構

日々是好日

 

第七 忘牛存人

睡虎の気

四角八方・横竪上下之内・中者突也

自然に丸く押す 気当り

人間形成

 

第八 人牛倶忘

我なければ敵なし

無縁の慈悲

祖元禅師 乾坤孤笻を卓つるの地無し 喜得す人空にして法もまた空なるを 珍重す大元三尺の剣 電光影裏春風を斬る

 

第九 返本還源

正念相続の修行

観音三十三応身の修行

衆生済度

雑念妄想を混えない

 

第十 入店垂手

一点梅花の芯

社会形成

 

道人

自覚覚他覚行円満

人間形成 段階的に成長させる。 看脚下

 

剣道と人間形成

剣と道 二つの内容

 

竹刀を刀の観念で使う

生死の巌頭

 

修行に志し多年不退転で相続 

到達

悟了同未悟

事の修行により理を身につける

体・相・用

三即一、一即三

本体 生命力 浩然の気 不識 日月照臨不到 天地蓋覆不盡

自然の相 調和 構え 生存の肯定。 用変 無常

天命これを性と謂う 性に率うを道と謂う

天命とは生命力 疑いのないものが天命 天命の現れが性

人間の道を修行する

 

柳生流

三摩の位

習・工・練  聞・思・修

習 師を得る

工 教授を工夫

錬  鍛練

 

三昧

真剣 一心。 一心 求道心。

 

剣法三角矩

 目・剣先・ 

 

人間形成

剣道と五蘊皆空

色・受・想・行・

色 形あるもの 肉体

受 五感で受けること

想 内なる思い 念慮

行 細かい念慮 連想

識 心澄時に湧く一念

蘊 集積の意 心の垢 

生来備わる五感に曇がかかり苦しむ

根元は空であるということ

生老病死の苦しみを解決する手段

曇をとるために修行をする

 

剣道

構え 正しい構え

打ち込み三年 懸り稽古三昧。 己に克つ修練。  全身全力 獅子の気合い

禅では、大死一番絶後に再蘇

苦修三年にして本体、三角矩の構えが得られる

得たら執着せず、心境一如、物我不二まで練り上げる

これが剣道の基礎となる。

人間形成の土台

 

相手からの働きかけに対する心構え

自他不二の本体に立つ

一念不生 思った時に打つ

二念を継がない

意馬心猿

数息観 念念正念に入る秘訣

雲弘流 一息円想無我

踵息三昧になりきれば散心必ず歇む

正念相続の修行こそ人間形成の険関、真髄

 

細かい念慮、連想は、畢竟夢幻空華

 

一念 迷 悟の別れる原点

生じた一念、機先を制する

施無畏

 

人間形成

覚有情

 

剣の理法と修行

   事理一致  事理相忘

八絋一宇 則天去私 有念有想で捨身となる

 

 

 

子供たち

小学生、中学生の段階で道という観念を植え付ける

切り返し、基礎で自己を鍛える

形、理合で人間形成につなげる

 

五戒

嘘をつかない  怠けない  やりっ放しにしない  我儘しない  ひとに迷惑をかけない

 

勝の一念

二念を継がない

 

正しく  楽しく  仲よく

 

腓骨を伸ばす

下腿の後ろ外側、管状の長骨、下端の外側は外踝

呼吸を臍下丹田から踵まで下げる